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川面に発生する白い虹(霧虹)を見よう

  • 川面に発生する白い虹(霧虹)を見よう

材料

電子温度計,湿度計

内容

・川面に発生する霧を観察する。
・気温と水温の差が大きい早朝に川原に行く。
・白い虹(霧虹)を観察できる場合がある。

詳細

 川面に霧が発生することがあります。気温が低下しても川の水温がまだ高い場合,蒸発した水蒸気が冷たい空気で瞬時に冷やされ,湯気のように小さな無数の水滴に変わります。12月31日の早朝に,堤防に沿って上流から下流まで,煙と見紛うほどの霧が発生していました。堤防から見ると,川面のあちこちから霧が立ち昇っています。川原に降り立って上流・下流を見ると,霧が濃くて先が見えません。200mほど先の対岸が,霧にうっすら隠れている状態でした。普通の霧は,日が差してくると消えてしまいます。しかし,川霧は,温かい水面から水蒸気がどんどん供給され,発生した霧が冷たい空気に抑え込まれて拡散しにくいので,比較的長く濃く滞留することになります。  ふと,霧(動画の中では靄と言っています)が部分的に濃くなっていることに気づきました。それは白い柱のように,しかも斜めに曲がって見えます。そのラインをたどっていくと,また水面に達しました。つまり,虹のように半円を描いているのでした。それもそのはず,この白い半円は「霧虹(Fog Bow)」という現象だったのです。これが現われる条件は,気温と水温の差が10℃以上,相対湿度が80%以上という報告があります。今回の条件は,快晴で微風の午前8時過ぎ,気温は0.5〜0.9℃,水温は8.9℃,湿度は不明でした。  朝日が背後から川の流れに対して直角に差し込んで来るので,川の中に白い虹の橋がかかっているように見えます。霧虹は,日光が霧に反射して白く輝きます。それは,霧の粒が雨粒より細かいので,七色に分光しないからだとされています。左右の立ち上がっている部分が太く明るく,少し色づいているように見えました。また,本物の虹と同様に,円弧の内部が外部より少し明るく感じました。  翌1月1日も同様の条件だったので,早朝から川へ向かいました。しかし,残念ながら風がやや強く,発生する川霧がどんどん流されていくので,濃く滞留することはありません。そのため,霧虹を見ることはできませんでした。また,後日,同じような条件でしたが,川霧が全く発生していませんでした。要因は,湿度が川原でも60%と低めだったからのようです。年末の早朝に白い虹を見ることができたのは,いくつもの条件が整った非常にレアな機会だったようです。 関連実験(あわせて、こちらもどうぞ) ホースを使って水で遊ぼう 虹を見よう

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
物理 光 大気と水 感受性 812 春秋冬
春秋冬
川;
川
普通
少し危険
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